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こんにちは。
「西郷どん」、始まりましたね。
タイトルに、よくわからん方言が…(._.)?
方言は、正確に意味を伝えるのが難しいです。
細かいニュアンスは、その地方の人でなければわかりませんが、「やっせん」はダメという意味らしいです。「やっせんぼ」で「弱虫」とか「意気地なし」という意味になるらしいです。
やっぱり大河は、オープニングの映像がきれいだ~♪
あの元気すぎるOPの西郷どんは「どげんした?」と言いたくなりますが、そういうキャラでいくのでしょう。
その方が、ラストのクライマックスの悲劇が引き立つってもんですね。
そして、OPから林真理子の「原作」と違っています。菊次郎さんじゃないのね・・・。
薩摩のやっせんぼ
東京・上野の西郷隆盛の銅像が披露されたとき、妻の糸が、言ったあまりにも有名な言葉からのはじまりでした。
「ちご!ちご!」(違う、違う)
「うちのだんなさんは、こげな人でありもさん」
今から180年前、日本人が鎖国の中にいた頃の薩摩のお話です。
少年たちが元気だー!
郷中教育の「郷中」が「ごじゅう」ではなく「ごうちゅう」となってます。
大久保利通と家族ぐるみで仲良しなのが切ないです。
島津家を藩主とする薩摩は、4人に1人が武士という土地柄で、戦国時代と変わらぬ「強い武士」になることを目指す地方でした。
後に西郷隆盛となる「小吉」は、下級藩士・西郷家の長男として、下加治屋町で暮らしていました。たくましい体格で、大きな澄んだ目をした少年でした。
薩摩藩には、年長者が年少者に読み書きソロバン、武芸、礼儀作法などを教える「郷中教育」と呼ばれる教育制度がありました。
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ある日、仲間たちと魚取りにやってきた小吉は、甲突川の対岸で高麗町郷中の少年たちが、魚釣りをしているのを目にします。
郷中同士の張り合い、反目は強いようで、すぐに取っ組み合いのけんかになります。小吉は体格がよいですが、無駄な争い事は好きではないらしく、魚取りで勝負をつけようと言います。
しばらくして、島津家の茶坊主をしている有村俊斎(後の海江田信義)が、「磯の御殿」と呼ばれる島津公の別邸には、もっとおいしいお菓子があるんじゃと言い出しました。
見てみたいけれど、「磯の御殿」には天狗がいるというわさがあります。
「よか肝試しじゃ」
そうして、みんなで「磯の御殿」に乗り込もうとしました。
そこに、後に西郷隆盛の3番目の妻となる「糸」ちゃんが登場!
かなりのおてんばです。
男の子と同じ格好をしているので、みんな男子だと思っているみたい・・・
「磯の御殿」で「天狗」に遭遇
磯の御殿に忍び込んだ子供たちは、警備のものに見つかり、大脱走です。
竹藪がきれいです。
その竹藪をどんどん走ると、その先には・・・
大砲?
カステラ食べながら?
子供たちのそばで大砲がドーン!
ここは、大砲の実験場のようです。
「もっと強くて大きい大砲を作れ」
すすで真っ黒になった顔をしてマントを翻して立つ男が、共の者に大声で叱咤しました。
子供たちは見つかり、一番小さい新八がその「天狗」のような男につかまってしまいました。
小吉に向かって「天狗」は、こう咎めました。
「一番幼い仲間を見捨てて逃げたな。
そういうやつを薩摩では『やっせんぼ』と言うんだ」
「ここで見た事は誰にも言うな。言ったらぬしらの命はないぞ」
そして、男は口止め料だと言って、カステラをぽんと投げてよこしました。
そのカステラをおいしいとパクパク食べる少年たちを横目に、小吉は包み紙に書かれている横文字に目を留めました。その不思議な文字に、なぜか心が魅かれたのです。
西郷家は、10人ほどの大所帯です。
貧しい下級藩士の家では夕飯も質素でしたが、にぎやかで楽しい食卓でした。
でも、小吉の心の中には、山の奥で出会ったあの天狗が棲みついていました。
一方、「磯の御殿」では、藩主の島津斉興が息子の斉彬・久光・側室の由羅と共にいました。斉興が斉彬を嫌っているのが一目瞭然です。
意外にも、お由羅と久光がコミカルな感じ・・・
今回の設定では、久光はちょっと人のいい感じで、兄の斉彬を慕っている様子ですよ。(今のところ)
「妙円寺詣り」で斉彬と出会う
薩摩藩最大の行事「妙円寺詣り」の日がやってきました。「妙円寺詣り」というのは、「関ヶ原の戦い」で、敵中突破した島津義弘の武勇をたたえ、男子たちが甲冑武者姿で参詣する行事です。島津義弘は、幕末でも「薩摩の英雄」だったのですね。
一番乗りの「郷中」は、赤山靱負からお餅がもらえるということもあって、みんな本気でピリピリしています。
赤山靱負は名門・日置島津家出身の優れた「二才」で、少年たちに慕われていました。
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ほら貝の合図が、スタートです。甲冑に身を包んだ少年たちが、走り出しました。追い抜かそうとする少年に足を引っかけて転ばせたり、殴り合いをしたりしながら、一番のりを目指します。
ついに、「下鍛冶屋町」という赤山の声が響きました。一位は小吉たちの郷中です。一番のりの子供が兜を脱ぐと、なんと女の子でした。
みんなびっくりです。
「おはん、おなごじゃったとか?!」
岩山糸と名乗った少女に、「おなごは出ていけ!」「おなごんくせに!」と少年たちが口々にののしりました。
糸は、泣き出しそうになりながら言います。
「ないごて、おなごは郷中に入ったらいかんとですか。私も、学問や剣術や相撲がしたか!」「男になりたか!!」
小吉は、泣いている糸が可哀そうになります。そして、女はそんなに嫌なのかなと疑問に思います。糸は、ごほうびにもらったお餅を小吉に押し付けて、走り去りました。
そして、糸と入れ替わるように、島津久光が馬に乗って現れました。
そこにいた人々が一斉に平伏しました。そうして面(おもて)を上げるように言われた赤山靱負は、久光の後ろに控えている武者を見てハッとしました。
その顔に、小吉も見覚えがありました。
「あんときの天狗?」
そんな小吉を赤山がたしなめます。
「小吉、何を申すか!こんお方は、お世継ぎ様。島津斉彬様なるぞ」
斉彬は、おかしそうに笑みを浮かべ、声を失っている小吉の前にしゃがみ込んだ。
「子供は国の宝だ。お前たちのような者がいれば、薩摩も安泰だ。」
「頼もしく思うぞ。」
それは、小吉にとって、夢のような感動的な出来事だったのです。
「やっせんぼ」はあきらめない
家に帰った小吉は、興奮しながら吉兵衛に言いました。
「父上!おいはいつか斉彬様のおそばにお仕え出来もんそか。おいはこれから、もっともっと精進しもす。」
「こんバカたいが!わが身分をわきまえんか!」
藩主のそば仕えを出来る家は、代々決められている身分の高い武士階級の者です。下級武士の西郷家では、とてもかなわない望みでした。
その上、そんな小吉に悲劇が起こります。
「妙円寺詣り」で負けた事を逆恨みした栄作たちに襲われて、小吉は右肩に大ケガを負ってしまったのです。
これを知った栄作の父が、息子を連れて西郷家へやってきました。小吉は、傷のせいで高熱を出していましたが、父はそんな小吉をかばうことはできませんでした。
吉兵衛は喧嘩両成敗だと言い、更に栄作のかすり傷を見て、謝るのはこちらの方だと卑屈に頭を下たのです。
小吉の頭を畳に押し付ける吉兵衛と小吉の姿を見ながら、栄作が勝ち誇ったようにニヤっと見下すように笑いました。
小吉は、これが「身分の違い」というものかと悔しい思いでいっぱいになりました。
小吉の右腕は、腱が切れて、刀が持てなくなってしまいました。強い武士になるのが目的の小吉は、生きる目的を奪われてい舞いました。
そんなとき、狩りをするために斉彬と異母弟の久光が城下にやって来ました。小吉はその狩場で斉彬に再び出会います。
「恐れながら、おいはいつか、斉彬様のおそばで忠義を尽くしとうございもす。じゃっどん」
こらえていた涙が流れだしました。怪我をして二度と刀が持てなくなり、もう死のうと思ったことを、斉彬に告げたのでした。
「死んではならぬ!」
斉彬は、小吉に向かって思いがけない事を言いました。
「刀を二本さすだけの世界は終わる。これからは弱き者の声を聞き、民の為に尽くせる者こそが真の強き侍となる」
「強くなれ」
そう言って、斉彬は去っていきました。
この年、江戸にいるはずの島津斉彬が薩摩に戻ったという記録はないそうです。つまり、「大河ドラマ」の創作かもということでした。
それからしばらくして、小吉はカステラの包み紙に書かれていた横文字を、再び目にします。
それは、赤山の屋敷で、初めて世界地図をみたときのことでした。地図の薩摩の場所にあの横文字と同じ「Cangoxina」という字が書かれていたのです。赤山が読み方を教えてくれた。
「カゴシマ・・・」
世界はとてつもなく広くて、日本は小さな島だ、そして、薩摩は、もっともっと小さい「点」のようなものでしかないのです。
小吉たちは、世界に目を向けながら、元気に育っていくのでした。
感想
林真理子の「原作」と、描き方がOPからかなり違います。
まだまだ子役中心なので、これからな感じですね。西郷家の「貧しくても明るく楽しい」雰囲気がよく現れてるな~南国だな~という感じがしました。
「男尊女卑の地域性」と「身分制社会の不合理さ」を、さらりと盛り込んでいたのがよかったと思います。
江戸育ちの島津斉彬だけ標準語なのも◎、外国かぶれのみょうちきりんな服装をしているのも◎で、面白かったです。
そして、パパの斉興は、本当に斉彬が嫌いって感じでした。
由羅役の小柳ルミ子さんが、なかなか味があって面白いです。
そして、久光も・・・。
久光は、西郷隆盛は嫌ってましたが、なかなか頑張った藩主(実際は藩主の父)だったと思います。
この島津家の雰囲気で、どんな感じで「お由羅騒動」が描かれるのか、楽しみです。