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外国人による日本文化ブームが起こってから、茶道や華道、書道など禅の精神に基づく日本文化が、古い物なのに新鮮に感じられるものに変わっているように思えます。
 
我が家の娘もそうでして、ちりめんや西陣織の日本製の小物を、かわいいーっと言って持っています。私が若い頃は、ちりめんの袋なんて、おばあちゃんの小物入れという印象だったんですけどね。
 
でも、最近のものは、色柄が和モダンでセンスのよいのが多いですね。
 
娘は高校生なのですが、茶道の小物類のかわいさと、毎回、お稽古でお茶菓子が出るのに飛びついて、ちゃっかり茶道部員になっています。( ̄▽ ̄)
 
最近は、はじめてさんの茶道のセットなるものが、インターネットでもたくさん売られているので、学校茶道の場合、始めるのに全然敷居が高くありません。
 
今回は、千利休の茶の道から三つに分かれた千家(三千家)と、習うときに迷う表千家と裏千家の違いについて、スッキリまとめました!

 

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「三千家」は利休の曾孫の代に成立した

 

 
「わび茶」を確立した千利休は、豊臣秀吉から切腹を命じられて果てます。
 
利休には2人の息子がいて、会津若松の蒲生氏郷に預けられた次男の小庵によって、やがて千家茶道は再興することを許されます。
 
しかし、小庵は「大坂夏の陣」を迎える前に亡くなってしまい、それを継いだのが息子(利休の孫)の宗旦でした。
 
宗旦は、利休切腹のとき14歳で、大徳寺の修行僧になっていました。
そして、その宗旦には、4人の息子がいました。
 
長男の宗拙は早くから家を出ていて、次男の宗守も家を出て塗りの修行をしていました。
利休の後継は3男の宗左で、宗旦は4男・宗室とともにその裏に庵を建てて隠居します。
 
3男・宗左の茶室が「不審庵」(表千家)で、4男・宗室の茶室が「今日庵」(裏千家)です。
 
その後、次男の宗守が分家として「官休庵」(武者小路千家)を建てました。
 
ここにおいて、三千家が成立したのです。
 
その後、千家の跡継ぎは代々1人と決め、のれん分けをしないという決まりを作り利休の茶の湯を守りました。3つの千家は、後継ぎが絶えそうになったら、養子に出しあったりして、協力しながら現在に至っています。
 
これは、華道が、池坊から3000以上の流派に分かれたのと、対照的ですね。

 

表千家・裏千家・習うならどっち?

 

 
いざ、お稽古に通おう!と思い情報誌などを見ると、表千家・裏千家という流派の違いが気になって、どうしようと思い悩むことが多いです。
 
始めたら容易に変えることはできないので、尚更、気になるんですよね。
 
私もそうでした。
でもね、大事なことは流派ではなかったなと今となっては思うのですよ。
 
まずは、表千家と裏千家の違いについて、お話しします。

 

(1)表千家と裏千家の成り立ちの違い

 

 
先程のべたように、千利休の嫡流の教えは、「表千家」です。
 
私の生け花の先生がおっしゃるには、皇室はじめ、千家にゆかりのある大名筋の末裔の政治家の方々(細川元首相など)は、「表千家」が多いのだそうです。
 
戦後の伝統文化の氷河期に、表千家は三井財閥がパトロンになったので、そのまま運営を続けることができました。
 
裏千家は、そのような援助を受けることができなかったため、経営難に陥ります。
そのとき、裏千家は、大衆を取り込むという方針に転換し、弟子数を増やしていくことで乗り超えました。
 
ですから、大衆化を図った裏千家のほうが、一般庶民が弟子入りしやすい雰囲気があります。全国的に見て、弟子数は、裏千家が表千家の約2倍といわれます。
 
また、現在の16代千宗室氏の奥様は、三笠宮さまの第二皇女・容子内親王です。ですから、皇室と縁が深くて、皇室関係の行事などでお呼びがかかることも多いようです。
 
表千家は、利休の「わび茶」の精神を継承し、器などは地味で保守的です。
一方、裏千家は、茶器やお茶会の着物が、どちらかというと華美だといわれます。
 
私の個人的な印象から考えると、伝統第一、利休の「わび茶」を学びたいと思われるなら表千家を、教室が多くて選びやすく、かわいらしい華やかなお道具を買って楽しみたいと思われるなら裏千家を、という選択はいかがかと思います。
 
でも、 教室選びでもっとも大切なのは、なによりも
 
先生との相性
 
です。
 
どんな習い事でも同じと思いますが、やはりお茶やお花は、技術以外の先生の人間的な魅力や日本文化に対する知識、あなたとの相性、これがいちばん大切なことだと思います。
 
私が独身時代、裏千家を習っていたときは、カルチャーセンターだったので、先生とのしっかりした師弟関係を築けませんでした。それで、忙しいからもういいかと、容易にやめてしまったのです。
 
今、学んでいる生け花の先生は、流派ではなく人柄で決めました。もう一生お付き合いできる人って思っています。

 
 

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(2)お点前の違い

 

 
お点前の大きな違いは、よくいわれるのが「どうでもよいところが違う」というものです。つまり、たいした違いはないということなのです。
 
作法の違いは、正座するときのひざの数cmの開き具合や、ささいなふくさ捌きなどなのですが、それでどちらを習うかの決めてにはならないでしょう。
 
お点前の違いで、私が一番あれっ?と思うのは、薄茶の点て方です。
裏千家のお薄は、シャカシャカとたくさん点てて、表面は抹茶カプチーノのようにあわあわが立ってクリーミーになります。この記事の一番上の画像の点て方は裏千家です。
 
表千家は、そんなにたくさん立てずに、泡はほとんど見られない仕上がりです。
 
これも、好みですね。
あわあわがあるほうが美味しそうとも思えますし、泡が唇について飲みにくいわと思うかもしれません。

 
 

(3)お道具の違い

 
最近は、インターネットでも、たくさん初心者用の茶道セットが販売されています。
比べてみると、よくわかりますよ。
 
 
ちなみに、娘に買った初心者裏千家セットは、こんな感じです。

 

 
6点セットです。
 
1.懐紙入
2.ステンレス楊枝サヤ入
3.無地懐紙 1帖(30枚)
4.扇子 利休扇 5寸
5.帛紗 赤
6.西陣織 古帛紗

 
 
一方、表千家のセットはこちらになります。↓

 

 
5点セットです。
 
1.懐紙入
2.ステンレス楊枝サヤ入
3.無地懐紙 1帖(30枚)
4.花押扇 6.5寸
5.帛紗 朱

 
 
それでは、少し詳しく違いを見ていきましょう。

 

【違い1】「扇子」の大きさ

 
表千家の扇子は、6.5寸、20㎝です。
裏千家のセンスは、5寸、約15㎝です。
裏千家のほうが、少し小さいですね。

 

【違い2】「帛紗(ふくさ)」の色

 
帛紗の色が、表千家は「朱色」と決まっています。
裏千家は「赤色」を使うことが多く、少し絵柄が入ったものもあります。
サイズは、同寸です。
初心者用は、人綿帛紗(ポリエステル製)がセットになっていることが多いですが、私は帛紗は正絹のものをおススメします。
 
帛紗捌きのしやすさが全然違いますよ。
見た目も違いますし・・・。
 
娘には、初めは学校用だからいいかと思いポリエステル製(人絹)帛紗の入ったセットを買ったのですが、あまりの違いにこれはダメだと思い、帛紗だけ正絹のものを買いなおしました。

 

【違い3】「古帛紗(こぶくさ)」の有無

 
古帛紗(こぶくさ)は、裏千家でも、濃茶のときに使ったり、器を拝見するときに使うものなので、始めのうちはあまり使いません。
 
お稽古は、お薄(薄茶)のお点前から始めますので。でも、懐紙入れと同じ生地のものがセットになっていることが多いです。

 

おわりに

 
堅苦しく考えず、家でササッとお抹茶を楽しむのも、素敵だと思います。
抹茶カプチーノとか、おいしいですよー♪
 
おままごとっぽくこういう器で楽しむのも、楽しいです。ヽ(^o^)丿
茶道をしている娘がいると、いろいろ集めたがって困りますが……。
 
でも、季節の器を欲しがったりすると、季節感を大切にする「和の心」があるのだなと思えてうれしく感じるのでした。

 

 

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