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明智光秀は主君・信長を裏切り謀反人になったことでよく知られていますが、その家臣はあまり知られていません。
織田家の重臣多くの戦で戦功をたてた光秀は、多くの兵を従え信頼できる重臣たちもそろっていました。
今回は、明智光秀の家臣の中で、「明智御宿老」と呼ばれる5人と「明智三羽鴉(あけちさんばがらす)」の3人についてお伝えします。
目次
「明智五宿老」
「明智五宿老」は、明智光秀が信長に仕える前から仕えていた、光秀がもっとも信頼していた重臣5名を指します。
彼らは「本能寺の変」を起こす意志を、光秀からあらかじめ伝えられていた古参の部下でした。
◆明智秀満(あけちひでみつ)
明智秀満(あけちひでみつ)は、明智一族の1人です。
琵琶湖上を馬で越えたという勇猛な「明智左馬助の湖水渡り」伝説で知られる武将ですよ。
「山崎の戦い」の後、明智光秀の敗死を安土城で知った秀満は、坂本城に引きあげようとする際、大津の打出の浜で敵の堀秀政の軍に遭遇してしまいました。
窮地に陥った秀満は、突然琵琶湖に馬を引き入れて泳がせ、騎乗のまま琵琶湖を渡り切ったのだそうです。
堀秀政は、その様子を呆然と見届けたのだとか……。
そうして秀満は無事に坂本城に到着しましたが、秀吉の大軍に囲まれとうとう自刃し、坂本城は落城しました。
◆明智光忠(あけちみつただ)
明智光忠(みつだた)は、明智光秀の従兄といわれる武将です。(異説あり)
「本能寺の変」で活躍した後、織田信長の長男・信忠のいた二条城を襲撃しました。
その戦いで織田信忠を自刃に追い込みましたが、光忠自身も負傷して戦線離脱しました。
光秀の敗死を知った光忠は、秀満とともに坂本城に籠城し、最後は自刃しました。
◆斎藤利三(さいとう としみつ)
斎藤利三(としみつ)は、室町幕府との縁もある明智家筆頭家老です。美濃国人で明智軍の参謀を務めていました。
斎藤利三は、明智光秀の家臣の中でもっとも有名な人でしょう。
彼は土佐(四国)の長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)と親戚関係にあり、織田と長宗我部が良好な関係を築けるよう外交に努めました。
一度は長宗我部と友好関係を築いた信長でしたが、次第に大きくなるその勢力を脅威に感じ、挙兵すると決定したのです。
この信長の決定で、斎藤利三とその主君・明智光秀は面目丸潰れになりました。
「本能寺の変」怨恨説を説く人は、このとき受けた屈辱が信長への恨みの1つだったと考えます。
斎藤利三は「本能寺の変」の後の「山崎の戦い」で、明智軍の先鋒として活躍しましたが敗退し捕縛、その後、処刑されました。
3代将軍徳川家光の乳母を務めた「春日局」は、この斎藤利三の娘・お福です。
◆藤田行政(ふじたゆきまさ)
藤田行政(ゆきまさ)は、光秀の父・明智光綱の代から仕えていた明智家譜代の家臣です。
彼も「本能寺の変」を起こす前に、光秀からその意志を知らされていた重臣です。
「山崎の戦い」で負傷し、最後は自刃しました。
◆溝尾茂朝 (みぞおしげとも)
溝尾茂朝 (みぞおしげとも)は、譜代の家臣で明智家の政務を司っていました。
「山崎の戦い」で光秀と共に敗走し落武者狩りに遭ったとき、明智光秀の自刃の介錯をした人物だったと伝わります。
その後、光秀の首を守ってさらに敗走を続けましたが、最後は敵に包囲されて、主君の首を部下に託し自刃しました。
明智三羽鴉(あけちさんばがらす)
「明智三羽鴉(あけちさんばがらす)」とは、「本能寺の変」で真っ先に突撃した3名の武将を指します。
◆安田国継(やすだくにつぐ)
明智三羽鴉の1人、安田国継(やすだくにつぐ)・通称「安田作兵衛(さくべえ)」は、光秀の家臣、斎藤利三に仕えた美濃の地侍でした。
彼は槍が得意で、明智軍の先鋒として織田信長のいる本能寺に真っ先に攻め込みました。
十文字槍で信長を一突きして負傷させ、その後、森蘭丸を討ち取ったのは、この人と言われます。
「本能寺の変」後、明智家が滅亡すると、彼は名前を変えて羽柴秀長、蒲生氏郷、立花宗茂などに仕えましたが、どこでもいさかいを起こしてしまい長続きしませんでした。
最後は、頬にできた腫瘍を苦にして自害したと伝わります。その日が信長と蘭丸の命日だったため、彼ら呪いとうわさされたそうですよ。
◆古川九兵衛(ふるかわきゅうべえ)
古川九兵衛(ふるかわきゅうべえ)は、「本能寺の変」で真っ先に突撃した明智三羽鴉の1人です。
その他の活躍はあまり聞きません。
◆箕浦大内蔵(みのうち おおくら)
箕浦大内蔵(みのうち おおくら)も、明智三羽鴉の1人です。
先の2人と共に「本能寺の変」で先鋒を務めました。
おわりに
明智光秀の家臣は、意外と知られていません。
でも、「明智五宿老」をはじめとする勇猛な家臣軍は、主君への裏切り行為にもかかわらず、明智光秀に従って「本能寺の変」を戦いました。
徳川家康は斎藤利三の娘・お福を孫・家光の乳母に採用しました。父・斎藤利三の武勇を認めていたのでしょう。
謀反人として悪役扱いされる光秀ですが、2020年の大河ドラマはその謀反人が「主人公」です。
家臣との関係が大河でどう描かれるのか、今から楽しみです。
妻の煕子との心温まる夫婦愛エピソードや、娘・細川ガラシャの生涯も興味深いです。
よろしければ、こちらも合わせてお楽しみください。
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