時代劇の嘘・武士の町人への無礼討ち「斬り捨て御免」は実際にはなかった!?

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。


 
私はケーブルテレビの時代劇チャンネルが大好きで、よく時代劇を見るのですが、たまに「それはないわ~!」って言いたくなることがあります。
 
もちろんフィクションなので、作品の演出として良ければ大歓迎ですよ♪
 
でも、見ている人が、「ああ、江戸時代ってそうだったんだ~っ。」て思う場合も、あるかもしれません。
 
この前、見ていて気になったのが、やたらと威張った武士がいるなあってことです。
 
江戸時代は「士農工商」の身分制社会だったと歴史では習いますが、日本の社会には、西洋のような差別意識はありませんでした。それは、いうならば、職業による「住み分け」のようなものだったのです。
 
江戸は、武士による町人の「斬り捨て御免」なんてありえない社会でした。
(田舎では、不法地帯のような所があったかもしれませんが……。)
 
今回は、そんな、花のお江戸の武士の「無礼討ち」について、お伝えします。

 

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「無礼討ち」とはどういうもの?


 
時代劇の中では、威張った武士が、ちょっとした粗相をした町人に向かって「無礼者~!」と言って、斬り捨てるシーンがあります。
 
この前見たのは、「鬼平犯科帳スペシャル」でしたよ。
鬼平さんが、助けてましたけど……。(笑)
 
「無礼討ち」は、「斬り捨て御免」と呼ばれることもあります。
「御免」というのは、お上(幕府)に許されているということです。
 
でも、そんなことがまかり通ったら、暴走する武士が続出するのは、目に見えています。
 
ですから、実際にはそんな特権は、なかったようです。
じゃあ、どうして時代劇では使われるのでしょう。
 
また、実際に、無礼討ちをしてしまったら、どうなるのでしょう。

 

江戸は超安全な法治国家だった

 
 
元禄以降の江戸の町は、かなり豊かになり、今の日本の都市よりも治安が良かったといわれます。
 
戦国時代が終わり、これからは平和な世の中になるということを示すかのように、幕府は、町内での刃傷沙汰を、厳しく取り締まりました。
 
武士の刀は、だんだん一部の職務の人をのぞいて、お飾りのようになっていきます。たいていのお抱え武士は、公務員のような仕事になっていくのです。
 
一部の人とは、町奉行や火付け盗賊改め方のような治安維持のための警察機関や、偉い人の警護班など、特殊任務の人たちです。
 
もしも、武士が一般人(町人)を刀で傷つけたりしたら、たいへんなことになりました。
余程の理由がない限り、本人は切腹、そして、家名断絶、財産没収というとても厳しい沙汰が下されたのです。
 
たとえ、正当防衛であったとしても、相手の命まで奪ってしまったら言い訳の余地なしだったようです。
 
では、なぜこの「無礼討ち」が当然のように時代劇で行われるのかというと、それはもう、事件が起こらないと時代劇のストーリーが成り立たないからではないでしょうか。(笑)
勧善懲悪物の場合、武士のような特権階級は、悪者にしやすいですね。お気の毒です。
 
また、この「無礼討ち」が、江戸幕府が開かれて150年ほど経ったころ、明文で認められるようになったというのも、小さな理由の1つだと思います。

 

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吉宗の「公事方御定書」で認定されていた!

 

 
「暴れん坊将軍」でおなじみ、8代将軍・徳川吉宗は、「公事方御定書」という法律を発布しました。これは、主に裁判に関する法律だったのですが、その中の71条追加条として、「斬り捨て御免」が記されたのです。
 
これは、幕藩体制をしっかり維持するために、武士の面子を守ろうという意図あっての、特別な権利でした。
 
でも、これも、形だけじゃないのと、思えるような内容なんですね。
 
この動画は江戸の治安についてのものですが、4:50頃から「無礼討ち」の説明があります。分かりやすいので、是非ご覧ください。
      ↓↓↓

 
結局のところ、実際に、無礼打ちなんてなかなかできなかったわけですよ。
 
「正当な理由」があれば「無礼討ち」はOKとのことなのですが、その「正当な理由」を実証するのが、ものすごく大変だったのです!
 
奉行所(役所)に人を斬ってしまった理由を届け出て、お奉行様に正当と認められてはじめて、「切り捨て御免」は成り立ちました。
 
また、必ず正当性を証明する証人が必要だったようです。
 
お奉行様に理由を却下されたり、証人を用意できなければ、切腹・家名断絶でした。
 
最悪の場合は、「辻斬り」扱いされて、斬首もあったそうですよ。
 
こんな分が悪い事、まず、普通の人はしませんよね。
 
それに、無礼討ちをしようとして、町人に逃げられた場合も、ただでは済まなかったようです。一度、刀を抜いたら最後、相手に逃げられても、士道不覚悟としてやはり処罰されたそうです。
 
 
じゃあ、なんでこんな法律作ったの?と思いますが、それは、やはり「武士の面子」を保つためだったのでしょうね。
 
変な法律です。(´・ω・)

 
  

「無礼打ち」についての記事はありませんが、江戸の人々のことが凄くよく分かって面白い本です。
私のおススメ江戸入門書です。(´▽`*)↓↓↓

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