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こんにちは。
 
 
ロココという言葉はなんとなく耳にしたことはあるけれどはっきりわからない、私もそうなのですがそういう方は多いと思います。
 
 
今回は大好きなロココスタイルの美術史的な位置づけについて、簡単にでもちょっときちんとお伝えしようと思います。

 
 

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◆優美なるヨーロッパの爛熟、「ロココ調」

 
 
「ロココ調」とよばれる芸術は、絶対王政が支配したヨーロッパの頂点、18世紀フランスの宮廷に咲き誇った様式です。その前の時代の「バロック調」は、強い王権を誇示するような荘厳な建築・芸術様式でした。「ロココ」は、その反動のように登場します。なので、女性的で繊細優美な雰囲気なのです。
 
 
ルイ15世の愛妾ポンパドゥール夫人の時代は、「ロココの華」と言われました。この時代が最盛期です。ポンパドール婦人のファッションは、とても可愛らしくて素敵なんですよ。⇒こちらを是非♪
 
 
ルイ16世の王妃マリーアントワネット「ロココの女王」と称されます。
 
 
こういうところから
 
 「ロココ調」=フランス宮廷のサロン文化をいろどる装飾様式
 
 
と、とらえられるのです。
 
 
実際には、ルイ16世のころになると、装飾や曲線美は抑え気味になってきますが、1789年のフランス革命まで、優雅なサロン文化として続いたのでした。つまり、フランスの宮廷文化最後の様式なのです。

 
 

◆「ロココ」とはどういう意味?

 

 
ロココの語源は、「ロカイユ(貝殻装飾)」です。ベルサイユ宮殿のグロット(洞窟)をつくるための材料だった「小石」や「岩」、「貝殻(ロカイユ)」などが、その装飾の主なモチーフになったのだそうです。そこからきているのですね。
 
 
曲線をたくさん使った装飾性の高い形、明るく軽快なパステル調カラー、甘美性のある優美な表現がその特徴になっています。

 
 

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◆王侯貴族のインテリア装飾、ロココ様式

 

 
絶対君主ルイ14世が亡くなると、それまでベルサイユ宮殿という「黄金の檻(おり)」に閉じ込められていた宮廷貴族たちは、パリにある自分の屋敷に戻れるようになりました。
 
 
ルイ14世は、貴族をベルサイユにとどめて散財させ、彼らに資金力をつけさせないようにしたのです。日本の参勤交代と目的は似てますね。
 
 
自由になった貴族は、お金をかけて新しい屋敷を建て直すより、もともと所有しているパリの邸宅の内装を新しいスタイル変えて心機一転を図ろうと考えました。
 
 
リノベーションですね。
 
 
だから、ロココ調というのは、大きな建築物ではなく主に室内装飾に当てはまる様式だったのです。建物全体の建築のスタイルは、バロックのころとあまり変わりませんでした。
 
 
つまり、ロココ様式の特徴は、匠の職人の技による華やかなインテリア装飾を指したのでした。

 

 

◆優雅でエレガントな曲線美

 

 
ルイ14世の時代は、とっても窮屈(きゅうくつ)だったようです。ヴェルサイユ宮殿でのマナーや慣習、儀式も厳格でした。それで、次に即位した孫のルイ15世(在位1715~1774年)は時代の空気をかなりゆるくしたのです。
 
 
そうすると、デザインの分野でも規則正しいシンメトリーでなく、より自由なスタイルのアンシンメトリーな曲線が採用されるようになりったのです。
 
 
王の威厳を表すための荘厳なモチーフも、もっとリラックスした優雅でエレガントな曲線を描くデザインに変わっていきました。
 
 
バロック様式の特徴だった「天使」や「植物」「貝(ロカイユ)」などのモチーフは、そのまま引き続いて使われました。他に、ストライプや花柄など、女性的な可愛らしいデザインが流行します。
 
 
重厚で華美な色づかいが好まれたルイ14世時(バロック様式)に比べて、ロココでは、色づかいはやわらかなパステル調へと変わり、シルクの衣裳が取り入れられ、インテリア全般がソフトでフェミニンな印象に変わりました。

 
 

◆女性専用のサロンの発達

 

 
ルイ15世の公妾ポンパドゥール夫人は、中産階級出身でした。ヘアスタイルの「ポンパドール」の語源になった貴婦人ですよ。
 
 
それもあって、ベルサイユ宮殿の中に私邸として建てられたポンパドゥール夫人の「トリアノン宮」は、たいへんこじんまりとした小さな建物だったのです。でも、とっても可愛らしく優雅な雰囲気で、ロココスタイルそのものですよ。
 
 
この頃、「ブードワール」と呼ばれる「女性専用のサロン」が流行し始めました。それは貴族にとってはとても小さなお部屋でした。仲良しセレブ女子会トークを楽しむのにぴったりの、優雅なリラクゼーションサロンだったのです。
 
 
「トリアノン宮」にあるルイ16世の王妃マリーアントワネットの「ブードワール」も、とてもこじんまりしていて、内緒話ができる女性の隠れ家的なサロンでした。
 
 
流行した「ブードワール(女性専用サロン)」に置くための小ぶりで華奢なつくりの(女性専用)の家具が、このロココの時代。大人気になったのです。
 
 
ロココが、女の子に人気なのは、そのスタイルが誕生したときからだったんですね~。宮廷女性が流行らせたといっても言い過ぎではないでしょう。
 
 
ヨーロッパの貴族社会は、男女差別が強烈にあったので、いろいろ読むと腹が立つのですが、やっぱりファッションは素敵~と思うのでした。
 
 
ロココが花開いた時代のポンパドール婦人とロココの女王マリーアントワネットの記事はこちらに。合わせてどうぞ♪

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