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こんにちは。
今回は、モーツァルトの有名な代表作品をご紹介します!
モーツァルトは神童、天才などと称されますが、楽曲も「頭が良くなる」「胎教に良い」「α波を出す」「IQが上がる」「免疫力が上がる」などなど、神がかり的な効果が謳われていますね。
音やリズムは個人的な好みに左右されることが大きいので、「別に~」と思う人はそれでOKですが…。
今回は、モーツァルトの曲の中で特に人気のある有名な7曲をご紹介します。
目次
(1)「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
この曲は誰もが聴いたことがあるといえるほど有名なモーツァルトの代表作品です。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」とは、ドイツ語で「小さな夜の曲」という意味です。ですから、この曲は「セレナーデ13番」とも呼ばれます。(セレナーデ=小夜曲)
とにかく弦楽器の音色が美しいです~♪
弦楽器は憧れの楽器なのでした。(私の楽器歴はピアノ・クラシクギター・フルートで、今は何もしてません)
素敵ですね。弦の合奏の美しさが際立つ曲だと思います。
(2)「トルコ行進曲」ピアノソナタ11番第三楽章
「トルコ行進曲」は、モーツァルトのピアノソナタ11番の第3楽章にあたります。
弾いていると気分爽快、楽しくなれます。知らない人はいないのではと思えるほど、こちらもモーツァルトの代名詞のような楽曲です。
この「トルコ」というのは、当時西欧人がそう呼んでいた「オスマン・トルコ帝国」のこと。オスマン帝国の「軍楽隊の音楽」に刺激を受けて作曲したので「行進曲」なのでしょう。
「ピアノソナタ」はモーツァルトの曲が断トツで好きなのですが、特にこの「11番」は、第1楽章が子守歌のような優しい曲で、第2楽章はコロコロと音符が弾む可愛い曲、そして、第3楽章がこのトルコ行進曲という構成で、全曲とおして素晴らしいのです。
その上、難しくない曲というのが素敵なのでした。
(3)「2台のピアノのためのソナタ」二長調K.448
モーツァルトのピアノソナタの中でも、ピアノを弾く人に特に人気があるのがこの曲です。難易度は上がります。
漫画『のだめカンタービレ』で使われて、一気に知名度が上がりましたね。
この曲は、モーツァルトが弟子のヨーゼファ・アウエルンハンマーのために作ったと伝わります。
のだめと千秋のように息ぴったりで演奏できたら、エクスタシーかと…(笑)
聴くより弾きたい曲ですね。(私はもう指が回らんから無理ですが)
(4)「フィガロの結婚」序曲
「フィガロの結婚」は、モーツァルトのオペラの中でも,もっともよく知られています。
「序曲」と「全4幕」からなるオペラ形式で作られていますよ。
クラシックコンサートで単独で演奏されることが多いので、「序曲」が特に有名ですね。
舞台の「ザワザワ」した感じで始まり、だんだん盛り上がっていってフォルテで一気に爆発する展開が印象的です。
軽快で優美な曲です。
(5)交響曲第40番 ト短調 第一楽章
完全に個人的な好みなのですが、モーツァルトの曲で真に彼の内面が表れているのは、数少ない短調の曲じゃないかなと思います。
短調の曲こそ悲壮感とロマンを兼ね備えて美しいです。
モーツァルトが作った交響曲の中で短調の曲は、たったの2曲(もう1つは25番)です。この「交響曲第40番ト短調」は晩年に作られたもので、「悲しみのシンフォニー」とも呼ばれる名曲です。
有名な曲なので、耳にすると「ああー。」と思われるはずです。
モーツァルトの晩年(32歳だけど早死にだから)の曲で、「3大交響曲(交響曲第39番、第40番、第41番)」の1つなのですが、このころは収入が減って、知人に借金を求める苦悩の日々を送っていたといわれます。(裕福だったという説もある)
シンフォニーなのに出だしが「ため息のモチーフ」というのが、哀愁ただよっていて素敵なのです。
(ため息のモチーフというのは、嘆きの半音階下降、冒頭の「♪ミ♭レレ~ミ♭レレ~ミ♭レレ~(♭シ)♪」の部分です)
(6)交響曲第41番「ジュピター」 ハ長調 第一楽章
「ジュピター」は、モーツァルト最後の交響曲にして最高傑作ともいわれる曲です。
前述の「交響曲第40番」とともに「3大交響曲」に数えられます。
「ジュピター」とは、ローマ神話の最高神ユーピテル(ユピテル)のこと。この曲に「ジュピター」と名付けたのは同時代の音楽家ザーロモンです。スケールの大きさや荘厳な曲想を表現しようという意図だったようですよ。
とにかく、荘厳な雰囲気に圧倒されます。弦楽器、いいですね~。ドラマなどでよく使われるので、聴いたことがあるという人も多いと思います。
第一楽章が有名なので紹介していますが、第四楽章のバイオリンの合奏は特に秀逸だと思います。
(7)レクイエム RequiemK.626
最後はこの曲「レクイエム」をご紹介します。指揮はカラヤンで。
モーツァルトの「未完の名作」です。この曲の作曲中に、彼は亡くなりました。(完成させたのは引き継いだ弟子です)
「レクイエム」とは「死者のためのミサ曲」のこと。
ヴェルディ、フォーレの作曲した「レクイエム」とともに「三大レクイエム」の1つに数えられます。
この曲は、モーツァルトが匿名の誰かから依頼を受けて書いたものと伝わっているのですが、誰なのか謎なのです。ミステリーですね。
曲調は、一瞬「え?これモーツァルト?」と思えてちょっとゾクッとします。(弟子が完成させたからか?)
でも、レクイエムらしい美しく洗練された曲です。
◆「古典派音楽」の代表・モーツァルト
モーツァルトが生まれた時代は、ヨーロッパではバッハから始まる「古典派音楽」が確立されようとしていた時期でした。
彼は、ハイドン、ベートーヴェンと共に「ウィーン古典派三大巨匠」の1人に数えられます。
でも、この3人、一括りにしてよいのかと思えるほど作品の雰囲気がそれぞれ個性的ですね。特に、モーツァルトの作風は、同じような曲を作ることができないだろうと思えるほど際立っています。
◆モーツァルトの作風
モーツァルトは、他の作曲家と同じように室内音楽から交響曲まで、さまざまな形態の楽曲を手がけました。
彼は空気が読めない天才で、神がかり的に感性だけで曲作りをしていたようなイメージがありますが、実際には、きちんと楽曲の構成も研究しています。
彼が活動していた時代は、ルネッサンス期から続くポリフォニー音楽(複旋律音楽)が時代遅れになって、ホモフォニー音楽(単声音楽)が主流になっていった時期でした。「トルコ行進曲」などは、まさにホモフォニー音楽の代表です。
でも、一方、彼はバッハの初期のころのポリフォニー音を研究し、「対位法」を活用して曲作りに反映させる手腕もあったのです。「交響曲第41番」の終楽章にも、それが用いられています。
◆長調の楽曲が多いのは需要があったから
モーツァルトの作風と聞かれて、真っ先に思い浮かぶのは「明るい」「楽しい」「音符が多い」だと思います。
モーツァルトの曲は「天国的」とまで形容されることがありますが、弾いているとまさにそんな感じです。「聴く」より「弾く」ほうがずっと体感できます。
そんな彼の曲の多くは、明るく軽快な「長調の曲」です。装飾音がたくさんあって優美で女性的な美しい曲が多いです。
でも、これは実はモーツァルトの作風ではなく、当時の音楽の流行を反映したものなのです。
彼が活躍した時代、ウイーンはマリア・テレジアが治めていて、お隣のフランスはその娘のマリー・アントワネットが王妃になっていました。
マリーアントワネットは「ロココの女王」と呼ばれます。当時は、音楽も芸術も繊細優美で女性的なロココ様式(ギャラント様式)がブームだったのです。
モーツァルトが音楽活動をしていた時代、音楽家はまだまだ芸術家ではな、く貴族に雇われる音楽職人にすぎませんでした。
彼は自分の好きな曲を作るのではなく、生計を立てるために注文を受けて曲を提供していたのです。
つまり、ロココ時代の音楽の需要が明るく軽快な曲だったのです。
でも、だからこそ、モーツァルトの曲を聴くと、当時のヨーロッパの宮廷の優雅な雰囲気が味わえるのでしょう。
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