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こんにちは!
イギリスだけでなく世界的に有名な劇作家シェークスピア。
「四大悲劇」や劇の中での数々の名言で、めっちゃ有名です。
でも、そのわりにその人物像はあまりよく知られていないんですよ。謎の多い人です。
◆シェークスピアはこんな人!
ウィリアム・シェークスピアは、1564年に、イギリスのストラッドフォード・アポン・エイヴォンで生まれました。
若い頃のことはよくわかっていないのですが、18歳のときに8歳年上のアンと結婚し、その後、家族を置いてロンドンに出ています。
ロンドンでは俳優をしながら、26頃からは劇作家として演劇の脚本を書き始めました。
彼の作品は、元ネタのあるものを脚本にしたものが多かったのですが、心理描写がうまく、彼が書いた劇はとても人気が出て、大成功をおさめたのでした。
1603年にエリザベス1世が亡くなった後、次のジェームズ1世は、シェークスピアを全面的にバックアップするとパトロン宣言しています。
経済的にも成功を収めたシェークスピアは、晩年は、故郷のストラッドフォード・アポン・エイヴォンに帰って静かに暮らしたそうです。
1616年4月23日に、彼は52歳で亡くなりました。
◆イギリスルネッサンスはイタリアルネッサンスよりだいぶ後!
シェークスピアは、イギリス・ルネッサンスの代表と言われますが、イギリスのルネッサンスは16~17世紀にかけて起こりました。
これは、14~15世紀のイタリア・ルネッサンスとは、200年ほどずれているのです。そして、イギリスは演劇や詩など文芸だけで、美術などの芸術は開花しませんでした。
時期的には、ちょうどエリザベス1世の時代にあたります。
◆シェークスピアの代表作は?
シェークスピアは、50歳ぐらいで引退するまで、悲劇・喜劇・史劇の合わせて36編の作品を書きました。
有名な四大悲劇は、
『ハムレット』
『オセロー』
『マクベス』
『リア王』
です。
他には、
『ロミオとジュリエット』
『ヴェニスの商人』
『リチャード3世』
『ジュリアス・シーザー』
『真夏の夜の夢』
などなど、今でも世界の多くの国で演じられているものがたくさんあります。
なんだか、みんな有名すぎて一般教養レベルですね。
◆おわりに
シェークスピアは、とにかく有名な人物ですが読んでみてどこがおもしろいのか分からないという人も多いようです。
そもそも英語で書かれた作品は、英語が分かる人でなければ本当に味わう事はできないんじゃいかなと、私は思っています。
川端康成や大江健三郎が、なんでノーベル賞作家なのかさっぱりわからないのと同じです。翻訳家がうまかったんじゃないの?とか思ってしまうわけです。
でも、そうすると、
「ブルータス、お前もか!」
「終わり良ければすべて良し」
などは、名翻訳ではないかと思うのでした。
シェークスピアが当時、すごい人気者になったのは、その時代背景を考えなければいけないと思います。
イギリス・ルネッサンスの開花時期なのです。
当時のイギリスの演劇界では、人間心理を深く掘り下げた彼の脚本は、まったく新鮮なものと捉えられたのでしょう。
現代人が読むのと、まったく違うのだと思います。
日本でいうと、例えば夏目漱石・・・
夏目漱石の小説を今読むと、好きな人もいれば、どこが良いのかわからないという人もいます。
でも、彼は日本の「現代文」が確立されていなかった明治時代、つまり、「句読点」や「かぎかっこ」がルールとして始めて使われだしたとき、「日本語の文章」をどうするべきかとしっかり考えながら書き上げ、型を作り出した人でした。だから、あれだけ弟子になりたいと学びに来た人がいたのです。
シェークスピアの作品も、ルネッサンスの時代、新しい英語、新しい人間心理の表現をした作品と思って読むと、新しい発見があるかもしれませんよ。