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子供の頃、絵本で「親指姫」を読んだとき、とても素直にハッピーエンドのいい話だなーと思いました。
 
 
それはもちろん親指姫目線で読んでいたからなのですが、大人になっていろんな角度から読んでみると、なかなか含蓄のある話だと気づきます。
 
 
カエル、コガネムシ、モグラ、花の王という親指姫の求婚者を人間の男として考えてみると・・・
 
 
結局「イケメンの勝利」なのです!
 
 
一説によると、アンデルセンは相当モテない男だったらしく、フラれてばかりで一生独身でした。
 
 
そういうところを考えると、自虐的でかわいい女の子の傲慢さを表現したかったのかと思えます。
 
 
今回はそういう視点で「親指姫」を味わってほしいです。

 
 

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「親指姫」の簡単なあらすじ

 

 

■「親指姫」の誕生

 
 
あるところに、かわいい赤ちゃんがほしいと願う女の人がいました。
 
 
女の人はどうしても子供がほしかったので、魔法使いのおばあさんに相談し、「この大麦の粒を植木鉢にまくとよい」と言われ、銀貨12枚で大麦の粒を買いました。(すごくうさんくさいです。)
 
 
女の人は、魔法使いのおばあさんに言われたとおりにすると、たちまち芽が出て、チューリップのような美しい大きな花を咲かせました。
 
 
そして、その花がパッと開くと、その中に小さなかわいらしい女の子が座っていたのです。
 
 
小さくかわいい女の子は、親指ほどの大きさだったので「親指姫」と呼ばれました。

 
 

■醜いヒキガエルにさらわれる

 

 
ある晩,親指姫がすやすや眠っていると、その部屋の窓から1匹のヒキガエルが入りこみました。
 
 
かわいい親指姫をぜひ自分の息子の花嫁にしたいと思ったヒキガエルは、親指姫をさらってしまいました。
 
 
次の朝、目を覚ました親指姫はびっくりします。そして、みにくいヒキガエルの息子と結婚させられると分かり、悲しみのあまり泣きだしました。
 
 
そんな親指姫をかわいそうに思ったメダカたちは親指姫のとらわれていたスイレンの茎をかみ切って助けてあげました。
 
 
スイレンの葉に乗って脱出した親指姫は、そのまま川を流れていきました。
 
 
その様子を白い蝶が空から見ていました。蝶はなんてかわいい女の子だろうと思って舞い降り、2人は楽しくおしゃべりしました。

 
 

■おバカなコガネムシにさらわれる

 
 
ところが、今度はコガネムシが飛んできて、親指姫をさらってしまいました。
 
 
コガネムシは親指姫のことをかわいいと思ってさらったのですが、家に連れて帰って妻から「2本足で触覚もないなんて、すごく不細工な子ね」と言われ、そうなのかもと思ったコガネムシにまた捨てられてしまいます。
 
 
森の中で花の蜜を吸いながら放浪していた親指姫ですが、冬になり寒さに耐えられなくなりました。
 
 
そんなとき、野ねずみのおばあさんの家を見つけ、助けられます。野ねずみのおばあさんはとても優しく、一緒に楽しく暮らしました。

 
 

■成金モグラに求婚される

 

 
しばらくすると、野ねずみのおばあさんが親指姫に縁談を持ちかけました。
 
 
相手は、隣人の成金モグラです。モグラはかわいい親指姫をすっかり気に入って結婚したいと思ったのです。
 
 
モグラは大金持ちなので、生活には困りません。でも、一日中、日の当たらない穴ぐらでの生活は親指姫には耐えられませんでした。また、話をしても、モグラはちっともおもしろくなく窮屈な人でした。
 
 
あるとき、親指姫は傷ついたツバメと出会いました。親指姫は毎日しっかり看病をしてあげ、ツバメは元気になりました。
 
 
親指姫はツバメから一緒に南の国へ行こうと誘われますが、野ねずみのおばさんに恩を感じていたので、行けないと断わります。

 

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■ツバメと共に「花の国」へ

 

 
モグラとの縁談がすすめられ、とうとう結婚式の日がやってきました。
 
 
親指姫が悲しみに沈んでいるところへ、あの助けてあげたツバメが飛んできて言いました。
 
 
「今度こそ、ぼくと一緒に美しい国へ行きましょう」
 
 
親指姫は「今しかないわ」と思い、ツバメの背に乗り空へ舞い上がりました。
 
 
ツバメが降りたのは美しい「花の国」でした。

 
 

■美しい「花の王」とゴールイン!

 

 
「花の国」は美しい夢のような国でした。真っ白な大理石の宮殿があり、花や果物であふれているのです。
 
 
ツバメはその中でいちばん美しい白い花の花びらの上に、親指姫を降ろしました。
 
 
その花の中には、親指姫と同じぐらいの大きさの白く美しい背中に羽の生えた「花の天使」がいました。
 
 
まわりを見わたすと、他の花にも同じような「花の天使」がいました。
 
 
親指姫の降りた花にいた天使は、美しい「花の王」でした。
 
 
王さまを見た親指姫は、「なんて美しい人なのでしょう」と一目ぼれ、王さまも「なんてかわいい人なのだ」と親指姫に一目ぼれしました。
 
 
そうして親指姫は花の王のプロポーズを受け、結婚して幸せに暮らしました。

 
 

「美は正義」といえる話かも?

 

 
親指姫は1人の小さくかわいい女の子が何人かの求婚者と出会い、最後に幸せな結婚をゲットするお話です。
 
 
登場する生き物は、野ねずみのおばあさん以外は全部「男子」ですね。

 

・カエル
女は結婚し子供を産むべしという古い考え方の醜男
 
・コガネムシ
人の意見に左右される意志薄弱なバカ男
 
・モグラ
視野が狭く女性を自分の思い通りにしたがる成金男
 
・メダカとツバメ
結婚候補ではない、ただのいい人
 
・花の王
美と権力を持つハイレベルな男子

 
 
親指姫はいい人(メダカとツバメ)に助けられながら、最終的に運命に流されるのではなく、自分の意志で結婚相手を決めました。
 
 
出会った生き物を見ていくと・・・
 
 
彼女が楽しく過ごすのは、美しい白い蝶、ツバメ、
そして「コレだー!」と思ったのが美しい花の王です。
 
 
醜いヒキガエルもバカなコガネムシも成金で嫌なモグラも嫌いです。
 
 
親指姫ってマジ面食いだなって分かりますね。イケメン大好きです。
 
 
そして、それはほぼすべての人に言えることだと思います。
 
 
本気で不細工な異性が好きという人は、ちょっと美的感覚がおかしいと思います。
 
 
道徳的には「人は外見ではない」と言いますが、あれは言葉が足りないです。そして、不細工に対する思いやりの言葉です。
 
 
「外見だけで判断して中身がスカスカなのはダメだけど、外見はめっちゃ大事だよ!」が真実ですよ。
 
 
モテなかった男アンデルセンは、経験上そのことをよ~く分かっていたのでしょう。
 
 
それで上手に童話の形にして残したんだなと思える深い話なのでした。
 
 
アンデルセンの話は、美しいけれど不幸な暗い話が多いです。
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