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アンデルセン童話の「白鳥の王子」のあらすじをご紹介します。
 
 
私が初めてこの話を知ったのは、小学低学年のころでした。
 
 
11人の王子が白鳥に姿を変えられた利、美しい王女エリーザが魔女のうたがいで「火あぶり」にされそうになったり、日本昔話にはない発想でおもしろいです。
 
 
そして、なにより「イラクサ」というトゲのある植物の不思議な響きが印象的で、今もその絵本をよく覚えています。

 
 

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「白鳥の王子」の主な登場人物

 
王女エリーザ
 
11人の王子(エリーザの兄たち)
 
王様・お后様(エリーザたちの父親と継母)
 
王様(どこかの若い国王)
 
おばあさん(魔女)

 
 

「白鳥の王子」の簡単なあらすじ

 

 
「白鳥の王子」は白鳥に変えられた11人の王子たちが主人公のようなタイトルですが、主人公はその妹のエリーザです…よね?
 
 
意地悪な継母に魔法で昼間だけ白鳥に姿を変えられた王子たちが、妹のエリーザの助けで元に戻ることができ、エリーザは若くて素敵な王様と結婚して幸せになりましたとさというお話です。
 
 
原作はかなり長いお話です。これでもかなり短く要約しました。
 
 
アンデルセン童話は切ない最後の話が目立ちますが、このお話はめでたしめでたしで終わります。

 
 

■11人の王子と美しい王女エリーザ

 

 
ここからはるか遠くの国に、ひとりの王様がいました。
 
 
王さまには11人の息子(王子)と、エリーザという娘(王女)がいました。
 
 
11人の王子たちは、胸に星の印をつけ腰に剣をつるして、学校にかよいました。
 
 
妹の王女エリーザはたいへん美し娘で、鏡ガラスのイスに腰かけて、この王国の半分ぐらいの価値のある「絵本」を読んでいました。
 
 
みんなとても幸せでした。
 
 
でも、そんな美しい幸せな生活はずっと続かなかったのです。

 
 

■王様が悪いお妃と再婚

 

 
あるとき、王様は新しいお妃を迎えることにしました。そのお妃は11人の王子とエリーザをまったくかわいがろうとしませんでした。
 
 
ある日、意地悪なお妃は、小さなエリーザを田舎の百姓の夫婦にあずけてしまいました。そして、お妃は残った11人の王子たちのありもしない悪口を、王様に吹き込むようになりました。
 
 
王様はお妃のウソをすっかり信じてしまい、王子たちを遠ざけてかまわなくなってしまいました。

 
 

■白鳥に変えられた11人の王子

 

 
お妃は、11人の王子たちに向かってこう言いました。
 
 
「おまえたちなど、どこの世界へでも飛んで行ってしまうがいい。声のでない大きな鳥になっておしまい。」
 
 
ところが、王子たちは11羽の美しい「野の白鳥」に変わりました。
 
 
白鳥になった王子たちは悲しそうな鳴き声を立ててお城から飛び去り、森の向こうへ飛んでいきました。
 
 
夜明け前、11羽の白鳥たちは妹のエリーザが眠っている百姓の家の上にやってきました。
 
 
彼らは屋根の上を飛び回り羽根をばたばたし、そのまま去っていきました。

 
 

■あわれな王女エリーザ

 

 
エリーザは15歳になり、お城に戻ることになりました。王様はエリーザにまた会えるのを心待ちにしていたのです。
 
 
意地悪なお妃は、エリーザの体にくるみの汁をぬりたくりました。すると、エリーザの肌はきたない土色に汚れてしまいました。そして次に、エリーザの顔にいやな臭いのする油をぬり、美しい髪をもじゃもじゃにしました。
 
 
これでもう、あの美しかったエリーザのおもかげは、まったくなくなってしまったのです。
 
 
そんなエリーザの姿を見た王様は、すっかり驚き、「こんなみにくい娘は私の王女ではない!」と言いました。
 
 
エリーザは大変悲しくなって、11人のお兄様のことを思い出しながら、お城からそっと抜け出しました。
 
 
そうして、てくてく森の中を歩き続けて、湖に行きつきました。
 
 
その水に自分の顔を映たエリーザは、びっくりしました。そこに映った顔は、土色をしたとてもみにくい顔だったのです。でも、水で手をぬらしてごしごし洗うと、以前のような真っ白な美しい肌が現れました。
 
 
そして、エリーザはきれいな水で体を洗い清めました。すると、もとの光り輝くような美しい娘にもどったのです。

 

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■エリーザ、11羽の白鳥に出会う

 

 
エリーザが、またてくてく歩きだしますと、向こうから1人のおばあさんが、やってきました。おばあさんは、木いちごを入れたかごを持っていました。
 
 
おばあさんは木いちごを2~3個くれました。エリーザはおばあさんに馬に乗った11人の王子を見かけなかったかたずねました。
 
 
「いいや」と、おばあさんがこたえました。
 
 
「でも、あたしは昨日、頭に金のかんむりをのせた11羽の白鳥が、すぐそばの川で泳いでいるところを見たよ」
 
 
「もしかしたら、それはお兄様たちかもしれないわ!」
 
 
そう思ったエリーザは、おばあさんに白鳥たちを見たところまで案内してもらいました。
 
 
おばあさんと別れたエリーザがそのまましばらく川にそって行くと、大きな海に行きつきました。ふと見ると、打ちよせられた海草の上に、白鳥の白い羽根が11枚残っていました。
 
 
そして、エリーザは粗末な小屋を見つけました。中をのぞいてみると、ベッドが11台、木ぐつが11足ありました。
 
 
お日さまがちょうど沈もうとしたころ、どこからともなく頭に金のかんむりをのせた11羽の白鳥が、エリーザのいる丘のほうへ飛んできました。
 
 
そうして、日が落ちであたりが真っ暗になると、11羽の白鳥はなんと11人の王子の姿に変わったのです!
 
 
エリーザは思わず「あっ」とさけびました。
 
 
「お兄様! 会いたかったわ!」
 
 
11人の王子たちは、美しく成長した妹を見てびっくりし、会えたことをたいへん喜びました。
 
 
そうして、お互いの身の上に起こったことを、話し合ったのです。
 
 
「ぼくたちはね」と、いちばん上の王子が言いました。
 
 
「お日さまが出ている間、白鳥になってと飛び回り、お日さまがしずむ間だけ人間の姿に戻れるのだよ」
 
 
「そして、もうすぐ海の向こうの国に渡る季節になるんだ。エリーザも一緒に行くかい?」
 
 
そうして、11人の王子はエリーザを網(あみ)に乗せて、みんなで網のはしっこをくわえて一緒に連れて行くことにしました。

 

 

■魔法をとく鍵「イラクサ」

 

 
海の向こうの国に着いたエリーザは、なんとかして兄さまたちを元の姿に戻したいと神様にお祈りしました。
 
 
すると夢の中に1人の魔女が現れました。魔女は、いつかエリーザに木いちごをくれたおばあさんに似ていました。
 
 
「魔法をとく方法はあるよ。イラクサ(トゲがたくさんある草)をつみ足でふんで糸を取り、布におりあげて11枚の鎖帷子(かたびら)を編みなさい。それを11羽の白鳥に着せると魔法がとける。でもそれが出来上がるまで、おまえはけっして一言も口をきいてはいけないのだよ。」
 
 
「わかりました。私、きっとお兄さんたちの魔法をとくわ!」
 
 
そうして、エリーザは、毎日毎日、野へ出てイラクサをつみました。
 
 
イラクサのトゲで白い指から血が流れ、足は傷ついてヒリヒリと痛みましたが、言われたとおり、泣き声も立てませんでした。

 
 

■王様との出会い

 

 
ある日、その国の若い王様が狩りの途中に通りがかり、傷だらけのエリーザを見ました。
 
 
王様は一目でエリーザに恋をし、自分の馬に乗せてお城へ連れていきました。
 
 
「どうか、私の妃(きさき)になってください」
 
 
でも、エリーザは口をきくことができません。
 
 
その国の大僧正は、エリーザのことを「きっと魔女にちがいありません」と言いましたが、王様は聞き入れず、とうとうエリーザと結婚式をあげてしまいました。
 
 
王様の優しいまなざしに本当のことを話せないエリーザは悲しみをこらえながら、兄たちを助けるため、黙々とイラクサの糸で布をおりました。

 
 

■エリーザ魔女裁判に

 

 
10枚の帷子(かたびら)がおりあがりました。でも、後もう少しというところで、イラクサがなくなってしまったのです。
 
 
他にイラクサが生えている場所をエリーザは見つけました。でも、それは、おそろしい魔物たちが現れる墓地でした。
 
 
エリーザはこわくてたまりませんでしたが、夜中にこっそりお城を抜け出して墓地に行き、イラクサをつんで布を編み続けました。
 
 
エリーザを不審に思い後をつけてきた大僧正は、その様子を見ておどろきました。そして、エリーザははやり魔女だったのだと思い、王様に訴えたのです。
 
 
王様もとうとう聞き入れざるを得なくなりました。エリーザは、やはり何も言いません。
 
 
エリーザは魔女裁判にかけられ、ろうやに入れました。
 
 
「王様、私は魔女ではありません! この11枚の帷子が出来上がったら、あなたとお話しできるのです!」
 
 
エリーザは、心の中で王様にさけびながら、ろうやの中でもせっせとかたびらを編み続けました。

 
 

■11人の王子現れる

 

 
そうして、エリーザはいよいよ処刑場へ連れて行かれる事になりました。
 
 
もう時間がありません! エリーザは連れていかれる馬車の上でも、せっせとイラクサで布をおり続けました。
 
 
馬車が処刑場へさしかかったとき、突然バタバタと羽音がして、空から11羽の白鳥が舞い降りました。
 
 
とうとうできたわ!
 
 
そのとき、ようやく11枚のかたびらが出来上がりました。エリーザは、編みあがったイラクサのかたびらを、11羽の白鳥に投げかけました。
 
 
すると、11羽の白烏はみるみるうちに、11人の立派な王子に姿を変えたのです。
 
 
「王様、今こそすべてをお話しいたしますわ! 私のお兄様たちは魔法をかけられて白鳥に姿を変えられていたのです」
 
 
エリーザは、今までのことをすべて王さまにお話ししました。
 
 
そのとき、すべての教会の鐘がひとりでに鳴りだしました。そして、たくさんの小鳥たちが飛んで来ました。
 
 
そうしてどんな王様も見たことがないようなさかんなお祝いの行列が、お城に向かってねり歩いて行きました。

 
 

おすすめ図書

 
 
アンデルセン童話「裸の王様」のおすすめ図書を2冊ご紹介します。
 

こちらは子供用のおすすめ作品です。1話5分前後で読める量で、お子様への読み聞かせにぴったりです。
 
 
簡単なあらすじとはいっても、大人になると忘れている細かい部分が確認できておもしろいですよ。
 
【収録15作】
親ゆびひめ・みにくいあひるの子・五つぶのえんどうまめ・はくちょうの王子・空とぶトランク・すずのへいたい・はだかの王さま・天使・にんぎょひめ・まめの上にねたおひめさま・もみの木・火うちばこ・赤いくつ・ひなぎく・マッチ売りの少女

 

 

こちらはアンデルセン童話を簡略化せずに翻訳したものです。本格的なアンデルセン童話の翻訳本で、少し古臭い言い回しがありますが、そこがまた味があっておもしろいですよ。
 
 
「白鳥の王子」は「野の白鳥」というタイトルで1巻に収録されています。
 
 
ヨーロッパ文学は日本文学とは雰囲気や教訓が違うので、文化の違いが分かっておもしろいです。
 
 
童話というより文学作品、大人向けです。

 
 
その他の作品はこちらをどうぞ。
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