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こんにちは!
 
 
フランス革命は、世界史の中で日本で非常に人気の高いテーマです。
 
 
いろんな人がいろんな作品を書いています。
 
 
その中で、まずはこの一冊というおすすめ本が、シュテファン・ツヴァイクの『マリーアントワネット』です。
 
 
伝記文学の金字塔と呼ばれるツヴァイクの代表作ですよ。
翻訳は、岩波文庫版、河出文庫版、角川文庫版があります。
 
 
岩波文庫がもっとも忠実に翻訳しているといわれますが、字が小さくて読みにくいです。
 
 
さらっとした読みやすさを求めるなら、「怖い絵」の中野京子さんが訳した角川版がおススメです。

 
 

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人物の掘り下げ方が素晴らしい

 

 
マリーアントワネットやルイ16世の評価は、そのときどきのフランスの政局で天と地ほど変わってきます。
 
 
革命時、マリーアントワネットは最低の評価でしたが、王政復古後すぐに悲劇の王妃と祭り上げられたり、当時の手紙や文献とされるものがたくさん残っていますが、多くは偽物ものだったり・・・
 
 
ツヴァイクは、かなりの手紙や史料を熟読し、できるだけ信用性の高い物を調べ上げて、登場人物1人1人の特徴をていねいに鋭い観察力で描き切っています。
 
 
もちろん彼の主観も入っているので、小説としても楽しめるのです。
 
 
例えば、王弟プロヴァンス伯、オルレアン公など、自分の立場ばかり考える狡猾な小者については容赦ないですし、フェルゼンとマリーアントワネットの純愛は、ハーレクインみたいな奇妙な恋愛小説のように感じます。
 
 
「フェルゼンってそんなにいい男か?」と思うのですが、それがツヴァイクの見解なのでしょう。
 
 
前半はマリーアントワネットの軽薄さにイラっときますが、これが後半の彼女を襲う悲劇的な状況と対比させると効いてきます。
 
 
浪費を繰り返して美しく身を飾るファッションリーダーだったマリーアントワネット。この上なく魅力的な王妃マリーアントワネット・・・
 
 
でも、彼女がもっとも毅然とした王妃の気品を見せたのは、全てを失くした後、革命裁判で背筋を伸ばして証言した姿であり、動物の死体を積む荷馬車に乗せられて断頭台に向かった最後の姿でした。

 
 

フランス革命の順番がよくわかる

 

 
フランス革命は、1789年の「バスティーユ牢獄襲撃事件」から1794年の「テルミドール9日のクーデタ」まで5年の歳月が経過しています。
 
 
その間にいろんなことがあって、議会も4回変わっています。覚えるだけでも大変なのですが、小説として読むと自然に流れが頭の中に入ってくるのです。
 
 
たとえば、「ヴェルサイユ行進」のときフランスがどのような状態だったのか、「ヴァレンヌ逃亡事件」はなぜ失敗したのかなど、登場人物のいる物語になっているので、とてもおもしろく分かります。
 
 
また、マリーアントワネットの実家も、君主が3度変わっていますが、それぞれの性格や外交の仕方の違いもよくわかります。
 
 
マリーアントワネットはオーストリアの女帝マリアテレジアの娘として生まれました。
 
 
マリアテレジアはフランス革命が起こる前に亡くなり、息子(マリーアントワネットの兄)のヨーゼフ2世が後を継ぎます。
 
 
ところが、ヨーゼフ2世はフランス革命勃発後の1790年に病死し、その後、弟のレオポルト2世が即位しましたが1792年に病死、マリーアントワネットが処刑された1793年には、レオポルト2世の息子フランツ2世が統治していました。
 
 
とにかく、人間関係が時系列でバッチリ分かります。

 
 

これがなければ「ベルばら」は生まれなかった?

 

 
フランス革命の入門書として本当におすすめなのは、実は漫画『ベルサイユのばら』です。
 
 
もう、めちゃくちゃよくわかります。今読み返すと、絵がキラッキラですごいんですが、とにかく分かりやすい!
 
 
池田理代子さんは、ツヴァイク『マリーアントワネット』を読んで、「フランス革命」を漫画で描きたいと思ったそうです。
 
 
オスカル、アンドレなど架空の人物の話をのぞくと、ほぼツヴァイクの小説にそって描かれています
 
 
マリーアントワネットとフェルゼンがあれほど純愛でラブラブに描かれてたのも、だからなのねーと分かります。
 
 
ロザリーもうまい使い方をしています。
 
 
ですから、小説は読みにくいと思われる方は、まずは「べるばら」からがおすすめです。

 
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