この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。


 
こんにちは!
 
「おおかみと七ひきのこやぎ」を子供のころ、絵本で読んだことがあるでしょうか?
 
 
ヨーロッパの昔話は、日本昔話のようにくり返し暗示される教訓や特徴があります。
 
 
そして、教訓話はオオカミ=「犯罪者」に気を付けろという警告が多いです。さらに、悪い人は最後に処罰されるという教訓も含まれています。
 
 
中世西欧の人々の精神性の底辺には、カトリックの教えがあります。そして、カトリックの教えはどちらかというと性悪説をとっています。
 
 
つまり、「人の本質は悪である」ということ、人はアダムとエヴァの頃から「原罪」を持つ身なので「神の教えに背きたい」という衝動を持っていると考えるのです
 
 
ダメだといわれるとやりたくなることをカリギュラ効果と呼びますが、これはもともと人間の持つ心理特徴なのです。
 
 
大人の視点で、「おおかみと七ひきのこやぎ」を読んでみませんか?
メルヘンな童話から離れたくない人は、ここまでにしてくださいね~。

 
 

スポンサーリンク

「おおかみと七ひきのこやぎ」の子供向け童話のあらすじ

 
子供向けのあらすじは、こちらをどうぞ。
   ⇓

 
オオカミが3度目にようやくこやぎの家に入ることができましたね。この「繰り返し」、これも西欧昔話の特徴の1つなんですよ。
 
 
「赤ずきん」でも出てきました。赤ずきんちゃんがおばあさんに化けたオオカミに「おばあさんの耳、なあんて大きなお耳でしょう?」と耳、目、口の違いを3度指摘したところです。
 
 
「おおかみと七ひきのこやぎ 」のオオカミは、声を変えるときに「チョーク」を食べたことになってますね。
 
 
これは、原文では「白墨」、原料は「石灰石」です。当時の民間療法では、石灰石を食べると声がよくなると考えられていたのです。

 
 

中世西欧の庶民の生活は大変だった

 

 
「グリム童話」に収められた話は、もともと中世~近世ヨーロッパ各地に伝わる伝承をアレンジしたものでした。
 
 
「グリム童話」は初版が1812年です。19世紀には西欧に近代的な倫理観が広まっていった時代です。ですから、子供に読み聞かせするには残酷すぎる、性倫理から大きく外れるとされた所は、省かれたりアレンジされたりしたのでした。
 
 
常に飢えに苦しめられてた中世の領民たちは、大人は日中みんな農作業に従事していました。そして、子供だけになった家は、強盗や性犯罪者の恰好のターゲットになりました。そういう犯罪がしょっちゅう起こっていたのです。
 
 
だから、お母さんやぎは絶対に誰が来ても開けないようにと、子やぎたちに忠告していたのです。
 
 
こやぎたちはバカではなく、お母さんの言いつけをきちんと守ります。オオカミを2度までは見破って退けますからね。
 
 
でも、3度目にとうとうオオカミに知恵敗けして引き入れてしまいました。ここは、当時の子供にとって教訓話としてハラハラするところなのでしょう。
 
 
用心に用心を重ねましょうという教訓です。

 

スポンサーリンク


 

悪いことをしたら処罰されるという教訓


オオカミは、6ひきのこやぎを見つけて食べてしまい、おなかいっぱいでそのまま眠ってしまいました。
 
 
帰ってきたお母さんは、真っ青です。
 
 
1匹だけ見つからなかったこやぎから何があったか聞いたお母さんは、眠っているオオカミのお腹をジョキジョキ切って、こやぎたちを助けだし、代わりに石をつめました。
 
 
この母やぎ、えげつないことしますね。
 
 
「赤ずきん」の最後と似ていますが、本来「赤ずきん」の話は、赤ずきんは食べられておしまいです。
 
 
地方によって食べられ方は、いくつかのパターンがありますが、オオカミにそそのかされて、赤ずきんが自分で一枚ずつ服を脱ぎ、裸になったところを食べられたというのもあります。性犯罪・・・
 
 
「赤ずきん」の結末を「おおかみと七ひきのこやぎ」と同じようにしたのは、グリム兄弟のアレンジでしょう。
 
 
ただ、「オオカミのお腹を裂いて石をつめる」というこのグロい発想。
 
 
これはグリムのオリジナルではなく、母やぎの発想(?)でもありません。中世西欧で、本当にあった処刑法なのだそうです。
 
 
もともと「お腹を裂く刑」は古代ローマ時代からありました。さらに、腸を引っ張り出して巻き上げ機でまきまきするというのもありました。「聖エラスムス」は、その刑で殉教しています。絵画にも残っていますよ。

        ↓

【出典元:Wikipedia】

 
 
余談になりますが、キリスト教の初期の殉教者は、それぞれ創意工夫をこらしたさまざま方法で亡くなっております。(-“-)
 
 
その多くは、絵画になって残っているのでした。
 
 
例えば「皮はぎの刑」で殉教した「聖バルトロマイ」は、ミケランジェロの自画像として「最後の審判」に描かれています
 
 
聖バルトロマイのアトリビュート(その人物を特定する持ち物)として持っている「人の皮」がミケランジェロなのだとか。

 

 
中央のキリストのすぐ右下です。
 
 
ヨーロッパ人にとって、変なアトリビュートで聖人を特定できるのは教養(常識?)なのかと思うと、国民性の違いをすごく感じるのでした。

 
 

おわりに

 

 
昔話をひもとくと、当時の社会の風潮が垣間見れておもしろいです。
国や宗教による違いもわかりますね。
 
 
西欧人の精神性を知るためには、キリスト教への理解は絶対に必要なのだなとつくづく思うのでした。
 
 
私はキリスト教の教えは好きではないので、またかと思うことが多いです。

 
  
他の物語もご一緒にどうぞ♪
   ↓


 

 

 
 
【参考図書】
  ↓

 
 
絵が多くて内容も濃く、とても楽しめるおすすめ本です。

スポンサーリンク