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「不思議の国のアリス」は、世界各国で童話として親しまれていて映画化もされています。アリスや白うさぎなどのキャラクター人気も高い物語です。
 
 
私はうさぎを飼っていることもあり、始めに登場する白うさぎが好きです。あわてていてかわいいです♪
 
 
この話は「全部アリスの夢だった」という結びです。
 
 
だからなのか、あらすじの展開がめちゃくちゃな不思議な話なんですよ。
 
 
英国のファンタジー文学ですが、「怖い」と表現されることもあるおもしろい作品です。
 
 
簡単に言うと、幼い少女アリスが白うさぎを追いかけて「不思議の国」に迷い込み、様々な体験をするファンタジーです。
 
 
「夢のお話」と割り切って、作者ルイス=キャロルの創った世界観を楽しみましょう。

 
 

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「不思議の国のアリス」の主な登場人物

 

 
◆アリス
 
7歳ぐらいの少女。
好奇心旺盛な優しい主人公。
白うさぎを追いかけて不思議の国に迷い込む。
 
 
◆白うさぎ
 
アリスが不思議の国へ行く元になったうさぎ。
 
 
服を着て人間の言葉を話す。
 
 
◆チェシャ猫
 
いつもニタニタ笑っている奇妙な猫。
身体を消すことができ混乱させる。
侯爵夫人の飼い猫。
 
 
◆侯爵夫人
 
チェシャ猫の飼い主。
いつも不機嫌な意地悪おばさん。
女王に暴力を振るって死刑宣告をされるがアリスに助けられる。
 
 
◆三月うさぎ
 
「狂ったお茶会」の主催者。
 
 
◆ハートの女王
 
トランプのハートの女王。
傲慢でイライラするとすぐに処刑と言う暴君。
怒りの象徴のような存在。

 
 

「不思議の国のアリス」の簡単あらすじ

 

■白うさぎを追いかけ木の穴へ!

 

 
ある日、アリスは外で読書に夢中の姉の横で、つまらないなーと思っていました。
 
 
そこへ突然、服を着た白うさぎが現れ、「大変だ! 間に合わないぞ!」などと言いながら大急ぎで走っていくではないですか!
 
 
気になったアリスは、白うさぎが飛び込んだ木の穴に、自分も飛び込みました。
 
 
穴の中に入ると、ずーっと下の方へ落下していき、行きついた先は天井の低い広間でした。白うさぎの姿はどこにも見えません。
 
 
広間にあるテーブルの上には「金の鍵」がありました。そして、ネズミの穴のような小さなドア穴から外を見ると、美しい庭園が広がっていました。
 
 
どうしようかなと思ったアリスがもう一度テーブルを見ると、そこには「小さな瓶」がありました。
 
 
「さっきはなかったわよね?」
 
 
小瓶には「私を飲んで」というラベルが貼られています。
 
 
不審に思いながらも、アリスはそれを飲みました。(好奇心旺盛ですね)
 
 
すると、みるみるうちにアリスの体は小さくなりました。それで、アリスはテーブルの上の「金の鍵」が取れなくなってしまいます。
 
 
すると今度はテーブルの下に小箱があり、その中に「わたしを食べて」と干しブドウで書いてあったケーキが入っていました。
 
 
アリスがそれを食べると、今度はぐんぐん大きくなり、身長9フィート(約2.7m)の巨人になってしまいました。
 
 
困ってしまったアリスが号泣すると、その涙で「池」ができます。
 
 
すると、白うさぎがまた出てきて、先ほど落とした扇子であおぐと、アリスの体はまた小さくなり、今度は足をすべらせて涙の池にはまり込んでしまいました。
 
 
そのとき、ネズミやドードーなどけったいな鳥獣たちが泳いで集まってきました。

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■コーカサスレースに参加するアリス

 

 
アリスはずぶれのまま、涙の池から出ました。
 
 
そこで、ドードーの発案で「コーカス・レース」という円になってぐるぐるまわるレースに参加します。
 
 
円になって回るので、誰が1位かさっぱりわからないレースです。(-_-;)
 
 
アリスはネズミたちに、飼い猫のダイナはネズミや鳥を取るのが上手だと話すと、動物たちは怖がって逃げていきました。
 
 
アリスは、またひとりぼっちになります。

 
 

■大きくなったり小さくなったり

 
 
そこへ、あの白うさぎが戻ってきて、アリスを女中とかん違いし、家に帰って扇子と手袋を持って来るように命じます。
 
 
アリスはそこでまた妙な小瓶を見つけ、またまた飲みました。
 
 
すると、今度は体が大きくなり、部屋いっぱいに体がはさまってしまいました。困った白うさぎはトカゲのビルで何とかしようと考えますが、どうにもできません。
 
 
どうしようもなくなった白うさぎが小石を投げつけると、小石があのケーキに変わり、それを食べたアリスの体はまたまた小さくなりました。これで、アリスはようやく家から出られます。
 
 
アリスはその後、森の中へ逃げ、キノコの上で水キセル(パイプ?)をふかしている青いイモムシに会います。
 
 
そこでイモムシはアリスにあれこれ質問したり歌を歌わせたりさせた後、そのキノコには片方は大きくなる力が、反対側は小さくなる力があると教えました。
 
 
アリスはどちら側をかじったらよいかわからなかったので、両方かじって自分の体のサイズに調整し、ようやく元の体に戻りました。

 
 

■意地悪侯爵夫人とにたにたチェシャ猫

 

 
そうして歩いていくと、小さな家を見つけました。その家の中に入っていくと、広い大台所で公爵夫人が赤ん坊をあやし、料理女が料理を作っています。
 
 
暖炉の上でにたにた笑う大きな猫がいました。その猫は侯爵夫人の飼い猫・チェシャ猫です。
 
 
アリスは侯爵夫人から赤ん坊を渡されると、赤ん坊は子豚になり、地面に下ろすと何処かへ行きました。
 
 
木の枝にチェシャ猫が座っていたので、アリスがこれからどっちへ行ったらいいか聞くと、帽子屋と三月うさぎの家の方向を教えてくれました。

 
 

■三月うさぎの「狂ったお茶会」

 
 
三月うさぎの家の前に来ると、三月うさぎ帽子屋が、眠っているネズミをはさんでお茶会をしていました。
 
 
このお茶会は、「狂ったお茶会」「終わりのないお茶会」です。
 
 
アリスもそれに加わりましたが、みんな狂っているので、狂った会話を続けます。アリスは耐えられなくなって、怒ってその場を立ち去りました。
 
 
アリスがあるドアをくぐると、始めの大広間にたどり着きます。そこでようやくあの「金の鍵」を使えました。
 
 
そうして、鍵をはずし小さなドアをくぐります。

 
 

■ハートの女王現れる!

 

 
美しい庭園に出たアリスは、トランプのカードに手足の生えた3人の庭師がバラの花にペンキを塗っているのを見ます。
 
 
ハートの王女王が兵と共に現れ、女王はそのトランプに死刑宣告しますが、アリスと王が逃がしてあげます。
 
 
ハートの女王は、アリスに「クロッケー大会」に参加するよう命じます。
 
 
この世界のクロッケーは、生きたハリネズミのボール、フラミンゴのバット、トランプのゲートなので、もうめちゃくちゃです。
 
 
その上、チェシャ猫が空中に頭を出す技を使って女王を混乱させます。
 
 
女王に呼び出されたチェシャ猫の飼い主・公爵夫人は、なぜか機嫌がよくアリスにいろいろ教えます。
 
 
女王が「処刑宣言」ばかりするので、クロッケーの参加者がいなくなってしまいました。
 
 
アリスは女王からにせウミガメ・フーの話を聞いてくるよう目地られ、グリフォンに案内をしてもらいます。アリスはフーが本当にウミガメだった頃の話を聞きます。

 
 

■裁判のはじまり

 

 
裁判が始まるとの知らせを受け、アリスとグリフォンは玉座の前に行きました。
 
 
罪人はハートのジャックです。
 
 
ジャックの容疑は女王のパイを盗んだことです。白うさぎが罪状を述べました。
 
 
アリスは裁判の様子を見学します。すると、アリスの体はだんだん大きくなっていきました。
 
 
裁判の証人は、帽子屋と公爵夫人の料理人です。そして、その後にアリスが呼ばれました。

 
 

■アリス、元の世界に戻る

 

 
証人として呼ばれたアリスは、はっきり「何も知りません」と言いました。
 
 
でも、王たちは新しい証拠の「詩」を提出し、それがジャックの罪の証拠と言い切ります。
 
 
女王は「処刑しろ!」と言い、アリスはこの裁判は公平でなくおかしいと批判します。
 
 
女王は「アリスを処刑しろ!」と命じますが、誰も動きません。
 
 
アリスは「あんたの言うことなんか誰も聞くもんか。みんなただのトランプじゃない!」と叫びます。
 
 
すると、トランプたちがアリスめがけていっせいに飛んできました。
 
 
驚いたアリスがそれを払おうとします。
 
 
・・・と、そのとき、姉のひざ枕で寝ていたアリスは目を覚ましました!
 
 
そう、今までの出来事は全部、長い長いアリスの見ていた夢だったのです。
 
 
アリスは、この不思議な「夢の話」を全部お姉さんに話し、聞いてもらったのでした。

 
 

おわりに※「不安」になる物語

 

 
「不思議の国のアリス」を始めて絵本で読んだとき、なんだかもやもやとしたものが残りました。
 
 
その原因はこの話の「おかしな」ところにあると思います。
 
 
この話の登場人物(動物?)は、みんなアリスの味方ではなく、かなり「変」です。
 
 
「この世界」のどこにもアリスの居場所はなく、どこにも理解者がいないのです。
 
 
だから、読んでいくうちにもやもやして不安になっていくんです。
 
 
で、最後に「全部夢でした、おしまい」となって、なんだかほっとするのでした。
 
 
「不思議の国のアリス」は、原作者のルイス=キャロルが、ふと思いついて書いた即興の話ともいわれています。
 
 
それなら、「夢」というだけでなく、つじつまが合わないところが多くてもおかしくないのかなと思えます。
 
 
でも、この話はこのわけのわからないところが、とてもとても魅力的なのです。
 
 
だから、これだけ世界各国で童話として親しまれているのだと思います。

 
 
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