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こんにちは。
最後の大きな士族の反乱だった「西南戦争」についてお伝えします。
「士族」というのは、江戸時代の武士階級に所属する人々のことです。明治になると武士→士族と呼ばれるようになりました。
どうしてこのとき、「士族」が追い詰められてしまったのか・・・
明治政府は「源平の争乱」の頃から大きな勢力になっていった武士階級を、とうとうぶっ潰してしまいました。
今回は、士族の反乱「西南戦争」が起こった原因と結果を、簡単にお伝えします。
目次
士族はなにが不満だった?
士族が大きな不満を抱えた原因、それは一言でいうと武士の特権と給料を返せ~!というものでした。
江戸幕府から明治新政府に変わり、欧米をまねた新体制を作ったので、これまでの社会構造にゆがみが生じることになってしまいました。
そうして、「士族ってもう必要なくない?」となってしまったのです。
真面目に言うと、近代社会体制に移行して、武士(士族)という職業が必要とされなくなったということです。
戦い方が変わりましたからね。近代兵器は剣豪でなくったって使えます。農民をちょっと訓練しただけで士族に勝てたんですよ。(戊辰戦争で実証済)
そういうことで、明治政府は「士族の特権を取り上げるべし!」という方針を打ち出したのでした。
士族にしてみれば、これは一大事!
数百年もの間、享受し続けていた特権を奪われるのですから、不満が噴出するのも当然です。
その大きな不満が熱量になり、西郷隆盛というカリスマ指導者を得たことで大爆発してしまったのでした。
(1)職を失って経済的に困難になった
明治時代、西洋から大量に最新式の武器が銃や大砲が入ってきて、戦い方が一気に変わりました。
「戊辰戦争」で土方歳三が言った(とされる)ように「もう刀や槍の時代ではなくなった」のです。
そうして、士族はいらない階級となり、給料が激減したり転職に失敗して失業する人が増えました。
それまで明治政府は、全体の5%ほどの士族に国家予算の約4割にも及ぶお給料を与えていたのです。これが財政を圧迫する原因になっていました。
もともと優遇されすぎていたということですよ。農民や商人と比べると、まさに「特権階級」でした。
そうして、それを取り上げられた士族たちの不満は、どんどんどんどん膨れ上がっていったのです。
(2)士族のプライドが打ちのめされた!
もう1つの大きな原因は、明治政府の方針が士族のプライドを大きく傷つけ、精神的ダメージを与えたことです。
新政府は士族の持つ特権を次々廃止していきました。
特に、「苗字」と「帯刀」の特権がなくなったのはショックです!
江戸時代、武士は「苗字を名乗る権利」と武門の証(あかし)である刀を腰に帯びる権利「帯刀権」を持っていました。
それを明治政府は取り上げてしまったのです。(もう時代錯誤なので仕方ないけど)
そうして誰もが苗字を名乗れるようになり、徴兵制によって農民から軍人になることもできるようになりました。
市民兵を使って近代的な武器を駆使した軍隊を作った大村益次郎が暗殺されたのも、強い反感を持った士族によるものです。
軍事の天才・天才大村益次郎については、こちらをご覧くださいませ~!
特に「帯刀」は「士族のアイデンティティ」でした。
1876年の「廃刀令」(刀の所有は認められたが帯刀は禁止)で、士族の中には失望どころか絶望した人も多かったのです。
とくに長州や薩摩の士族は、江戸幕府に対抗して明治新政府樹立のため、実際に体をはって戦った人たちでした。
その結果がこれでは、いきどおるのももっともでしょう。
明治政府が「士族の反乱」を全力で壊滅させたわけ
「西南戦争」は、最後にして最大の「士族の反乱」でした。
ということは、士族の反乱は、1877年の西南戦争の他にもありました。
よく知られているのは、こういうのがあります。
↓
佐賀の乱(1874年)
神風連の乱(1876年)
秋月の乱(1876年)
萩の乱(1876年)
これだけあちらこちらで武装蜂起が起れば、まだまだ生まれたてて問題山積みの明治政府としては、今のうちに「士族、ぶっ潰す!」と考えるのも無理ありません。
特に、西南戦争は首謀者がもともと新政府樹立のために貢献した士族のカリスマ・西郷隆盛でした。
これは、明治政府にとって大きな脅威です。
西郷隆盛自身は、武装蜂起に消極的だったそうですが、士族たちの不満は大きく熱くふくらんでいて、もう止めることはできなかったのでしょう。
西南戦争の結果
西南戦争は明治政府軍の勝利で終わり、これをもって「士族の反乱」は収まりました。
この戦いでは、軍事のプロの士族(武士)が、ほとんどが農民で構成されていた政府軍に負けたのです。
士族=「戦う階級」という今までの固定概念が、これでつぶされてしまったのです。
もはや士族はおしまい、西南戦争は、今後の日本の社会の流れと身分の固定概念を変える大きな節目となった戦いだったのでした。
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